ザ・対談

街の活性化に頑張っている方々と 永井まさととの対談を連載でご紹介する「ザ・対談」です。 様々なジャンルをインタビューしますのでお楽しみに。

第2回
talk with...

Café&Bar HAP 店長
ローフードマイスター横須賀中央校 校長

小野 光里

横須賀市内外を問わず、まちづくりや社会課題の解決へ力を注いでいる方は数多くいらっしゃいます。たくさんの方に出会い、話を聞く機会があるのですが、ぜひ他の多くの方と共有したいという話がたくさんあります。このページでは対談という形で様々な方からお話を伺っていきます。第2回は小川町でローフードのお店を開いている小野光里さんにお話をお伺いします。小野さんは自身が体を壊し、その後にローフードを通じて体調を回復させた経験から、食に対する意識が非常に高い方です。自身が経験した食の大切さ。健康はきちんとした食事から。当たり前のようで、なかなか実践できない食のあり方を見つめ直すことができる貴重な場を提供する小野さんの志とは。ぜひお読みください。

ローフードとの出会い

ローフードに出会うまでの話を語る小野さん

ローフードに出会うまでの話を語る小野さん

永井 今回、小野さんがたくさんの方を健康にしたいという思いがあるということを伺い、対談をお願いしました。本日はよろしくお願いいたします。

小野 よろしくお願いいたします。

永井 ローフードとの出会いを教えてください。

小野 高校時代に音楽をずっとやっていて、吹奏楽のサックスをやっていました。自分の中では音楽をずっとやっていくのではないかと思っていたのですが、特別授業の音楽、美術、体育などが向いていないと感じはじめ、高校も吹奏楽が強くないということもあり音楽活動は高校で終わりにしました。そして学習院大学の法学部に進学し、法学部でも政治学科を選びました。

 両親からは専門学校に行ってほしいと言われましたが、大学に進学したいと伝えたところ「自分の力で行きなさい」と言われ、奨学金を活用して大学に進学しました。奨学金だけでは足りないということもあり、アルバイトで生計を立てていました。

 その為、毎日学業とバイトをし、食事は外食という生活を続けていたら体調を崩してしまい、病院に行ったところ蓄膿症や、気管支炎などの診断を受け、薬を飲む日々が始まりました。

永井 大変でしたね。相当無理をしていたようですね。

小野 薬代がもったいないと思うようになったころ、母がそれに気づきローフードの勉強を始めました。ローフードというものは果物や野菜を48℃以下で加熱するか生の状態で食べ、酵素を得て元気になるという食事法で、自宅の食事に出てくるようになりました。その食事法を1年間続けたところ薬に頼らずに、体調がよくなったのです。大学を卒業するころには就職先も決まっていたのですが、食事の大切さに気づき、アルバイトをしながらローフードの勉強を始めたことがきっかけです。

永井 そうなんですね。お店を持つきっかけはなんだったんでしょう?

小野 いつも行きつけのカフェがあり、その雰囲気が大好きで自分もカフェをいつかやりたいという気持ちもあったので、カフェでローフードを出すと考えて始めました。今はテナントの関係でカフェではなくBarという形で提供をしていて、昼間は健康食を広めたいという気持ちがあるのと、健康食を学びたいという方が多いのでセミナーでマンツーマンで教えています。逆に忙しくなってしまったので、ランチができなくなってしまったのですが(笑)。

高齢者が健康になれば若者にもより多くのチャンスが

永井 ご自身の経験から、世の中みんなが健康になれば、という思いがあったのでしょうか?

小野 そうですね。横須賀市も高齢者が増えてきていて多くの医療費がかかっていますが、私はそのお金を若者に充ててほしいと考えています。奨学金の支払いがなければ、もっと自分は留学をしたり、ダブルスクールに通ったり好きなことに時間を充てられたと思っています。高齢者もとても大切ですので健康寿命をあげて働けるような人たちが増えれば負担が減り、若者たちにもお金が回ってくると考えています。一生の食は9万回あると言われています。そして「食」は選べます。何を食べていくと健康に生活ができるかと考えたときに、自分の実体験に基づき「ローフード」だと思いました。固形物だけでは食べにくいこともありますが、スムージーであれば歯を使わずに摂取することができます。全年代に食を楽しみながら健康生活を送れるようなことを発信できればいいなと思っています。

永井 なるほど。僕はカナダの留学時にスムージーを知りました。簡単に取り入れられるし、健康になった気もするし、野菜が苦手な人も簡単に効率よく栄養を摂取できるなと感じていました。でも家庭で出てくるというところまではなかなか浸透してないですよね。

小野 私もそこまでは浸透していないと思います。

永井 さきほどおっしゃていた健康寿命については大きな問題で市議会の中でも議題に出てくる話です。高齢の方たちの健康寿命が延びれば、介護保険料を抑えることに繋がります。薬代の削減や医療費の削減にもつながり、国の税金の負担も減らすことになります。横須賀市としてはラジオ体操などの運動をしましょうと発信しています。ですが、効果が大きく出ているかというと、そうとも言えない現状です。その中で健康寿命を延ばそうとスムージーやローフードのお店をやろうと思ったことは素晴らしいと思います。

小野 ありがとうございます。Barの時におばあちゃんとかが来ることはないですが、店がさいか屋の裏にあるということもあり、すごく通るんですよ。ランチ時は看板だけで来店いただいたり、階段を気にせず遊びにきていただき、元気だなと感じました。70代くらいの方にスムージーの作り方を教えたことがあり、糖尿病を抱えていた方でしたがスムージーを毎日飲んで健康に過ごせてますとお言葉もいただきました。

永井 そうなんですね。やはり自身が不健康から健康になったという実体験があったからこそ、自信を持って提供をできますよね。

小野 その体験がなかったらそもそも健康についても考えなかったし、医療費のことも関係ないと思っていたと思います。お店も持ちたいと思いながらも、違う仕事をしていたのかなと思います。

日本人に合うローフードを家庭に

小野さんのお店で飲めるスムージー

小野さんのお店で飲めるスムージー

永井 スムージーやローフードはアメリカから入ってきてかっこいいとか、おいしいというイメージ的なこともありますが、健康や体にいいんだという事を信じて本心から勧めたいと思っていないと、こうした活動は続けていけないですよね。

小野 そう思います。食の歴史から見ても日本は、海外からファーストフードなどが入ってきたことにより病気が増えました。海外ではその食生活の影響に気づき、20年位前から国の政策としてもっと野菜を取り入れ野菜の摂取量が上がっているところもあります。日本人よりも摂取量が多いのです。

永井 沖縄を例に挙げると琉球王国時代は独自の食事で健康寿命が長いとして有名でした。アメリカでも沖縄の料理を研究しようとなったほどです。ですが、今は65歳以下の死亡率は高くなってきています。戦後、海外の食事が入ってきたことが一因として考えられますよね。

小野 そうですね。今アメリカでも健康食ブームになっています。日本が逆に追っている状況です。これからもっとブームになると思います。そうなったときに日本のローフードとして味噌、海藻、日本の果物などがあるので逆輸入したり、海外とローフードについて意見交換をし融合をして日本人に合うローフードを探していければなと思います。

永井 とてもいいことですね。食に対しておいしいもので空腹が満たされればいいと考えるのだけではなく、日本にも簡単に健康食として取り入れられるものがあるのでより多く取り入れられるといいですね。

小野 私のお店に来れば人生の9万食のうち1でも変わると思います。このお店の需要が高まれば、健康な人が増えると思っています。(笑) 焼き肉など食べたりするのもいいと思いますが、その次の日に何を食べるかを考えていただけたらいいと思います。

永井 そうなるといいですね。小野さんは将来の目標とかはあるのですか?

小野 一つはみんなが待ち合わせなどで使えるようなカフェを作りたいです。今は1人で経営をしているのでなかなか難しいですが作っていきたいです。また、いろいろな方とコラボし、公民館などを活用し、どのようなローフードや、ローフードスウィーツを作っていくか、食べ方とかをセミナー形式で伝えていけたらと思っています。健康な人たちが多くなるように、流行りではなく、家庭に根付くものを作っていきたいです。

永井 健康な人たちが増えていく、その根底には食なんだなと感じています。「食育」は大事です。やはり、子供時代から健康なものを食べることが大切だよと伝えていくことが大事なんだと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。小野さんのパワーで世の中の人たちを健康にしてあげてください。

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