ザ・対談

街の活性化に頑張っている方々と 永井まさととの対談を連載でご紹介する「ザ・対談」です。 様々なジャンルをインタビューしますのでお楽しみに。

第3回
talk with...

満昌寺住職

永井 宗寛

寺ヨガインストラクター

長谷川 まどか

第3回ザ・対談のお相手は大矢部にある満昌寺御住職の永井宗寛さんと、満昌寺で寺ヨガインストラクターを務める長谷川まどかさん。満昌寺は1194年に頼朝が建立、800年以上の歴史がある三浦一族ゆかりの寺です。国の重要文化財である三浦義明坐像のほか、本尊の華厳釈迦如来像、中興の祖である天岸慧広坐像は横須賀市の重要文化財に指定されています。寺でヨガ体験という、一見珍しい取り組みですが、時間前になると次から次へと受講生の皆さんが集まって来ました。皆さん檀家さんですか、と尋ねると、檀家さんはごく一部ですとの答えが。歴史ある寺で檀家さん以外の方も参加できるヨガ講座開講の原点とは?

寺ヨガについて

ヨガ体験の後に対談

ヨガ体験の後に対談

永井ま 「寺ヨガ」という言葉を最近よく聞くようになりました。仏教、ヨガ、共にインドが発祥だとは思いますが、お寺でヨガをするというのは珍しいと思い、お話を伺おうと対談をお願いしました。本日はよろしくお願いします。なぜお寺でヨガなのでしょうか。

永井宗 そうですね、私が知っている限りでは10年程前まではお寺でヨガをやっているところはほとんどなかったと思います。10年前から都市部を中心に「ヨガを始めたよ」と聞くようになりました。何故だろうと思っていたのですが、都市部では会社勤めの人たちがヨガをやるためにヨガスタジオ等に通うのではなく、お寺のような静かなところでやりたいとの声が多かったようで、その声にお応えする形でお寺でヨガを取り入れるようになったみたいです。そしていつのまにか”寺ヨガ”という名称で徐々に広まっていきました。横須賀では満昌寺と他2つのお寺で行われています。

永井ま そうなんですね。永井住職は都市部を中心にお寺でヨガをやっているという情報を知って、それで取り組まれたんですか?

 永井宗 情報はあったのですけれども、ヨガを教えてくれるインストラクターの方がいないとできませんし、横須賀のお寺でヨガはないだろうなと思っていたところ、まどか先生が訪ねてこられたんです。その巡り合わせがあって満昌寺の寺ヨガが実現したんです。

永井ま すごい巡り合わせですね(笑)。まどか先生はなぜ満昌寺をたずねられたんですか?

お寺でヨガをやりたいという強い気持ちで実現

寺ヨガインストラクターの長谷川まどか先生

寺ヨガインストラクターの長谷川まどか先生

 

広々としたお堂でゆったりとしたヨガ体験

広々としたお堂でゆったりとしたヨガ体験

長谷川 お寺でヨガをやってみたかったという気持ちが強かったんです。訪ねた時はまだインストラクターの資格を取得する前でしたが、取得したら絶対お寺でヨガをやりたいんだと胸に秘めていました。

永井ま そうだったんですか!思い切って飛び込んだわけですね(笑)。それだけ強い気持ちがあったということですね。まどか先生の頭の中では、お寺とヨガのマッチングというのが構想出来ていたということだと思いますが、実際にやってみてどうですか?

長谷川 やはりやってよかったなと感じています。落ち着いた空間でヨガが出来るというのは素晴らしいことだと感じています。

永井ま 自分も実際に初めて体験させていただきましたが、雰囲気がよく落ち着いて出来ました。心はリラックスしましたが、体の方は余裕がなかったようです(笑)。体幹をもっと鍛えないといけませんね・・・。ちなみに、いらしている方はリピーターが多いのでしょうか?

長谷川 ほとんどの方がリピーターです。ご好評を頂いていて、終わった直後に次はいつ?とすぐに次回の予約をされることが多いです。

 ヨガは過去でも未来でもなく、現在の積み重ねなので、今の感じたことを受けて、今の体を感じたり、心の感情を感じることができるので、気分転換にいらっしゃる方もいます。もちろん運動不足解消のために来ていただいてる方もいます。年齢層が高いこともあり、挑戦をしたいとか呼吸の感覚を整えたいという方が多いです。普段流れている時間の中で、ポッと自分の心を真っ白にし、お寺の静かな雰囲気を感じながら、心地いい時間を過ごしたいとの思いでいらっしゃってるのかなと感じています。

永井ま ご住職のお話だと、遠くからいらしている方もいるとお聞きしましたが。

 永井宗 周辺地域の方が多いのかなと思っていたのですが、横浜・横須賀では寺ヨガをやっているところが少ないということもあり、広範囲から来ていただいています。県外からも来ますよ。

永井ま 凄いですね!本日体験参加しましたが男性の参加は少なかったように感じました。

永井宗 時間帯で参加できない人が多いですね。都心部では仕事をしている人を対象に考えているので仕事終わりの夕方か、または朝方の出勤前の朝ヨガをされていることが多いです。そうすると仕事前のリラックスの為に行こうとか、仕事終わりで気分転換に、という男性の方も参加されるみたいです。地域的なことなので、満昌寺で朝、夕方にやっても参加は難しいので、地域の特性に合わせていきたいと思っています。

永井ま お寺側の深い理解があってこその寺ヨガというのがよくわかりました。

 永井宗 私の中ではもっと広まればいいなと思いますが、私の仲間内でも古い伝統的なことを考えられる方が多く、神聖な場所だからとか、うちはまだできないとおっしゃるお寺さんが多いです。ですが、時代的には都市部、京都を中心にやっているところも増えていますから、認識をしていただいてもっともっと増えてもいいんじゃないかと思います。

歴史的な空間で心と体を整える重要性

ご住職はヨガの前に坐禅も教えている

ご住職はヨガの前に坐禅も教えている

永井ま そうですね。まさに都市部ではブームが来ていますよね。まどか先生は寺ヨガを中心にして、他の場所でもヨガを教えられているのでしょうか?

長谷川 はい、しています。寺ヨガをやっているということが大きな信頼となっていて、他のところでの指導にも携わりやすくなりました。また他のインストラクターからも寺ヨガの講師という認識をしていただいてるので、寺ヨガをやりたいという相談を受けることが増えましたね。

永井ま 実際にやってみてすごく健康になりそうだなと感じました。それが歴史的な環境でできるというのもすごくよかったです。心と体は繋がっていると思いますので、体が健康になれば心も健康になれる、と感じられる1時間でした。さらにこのような環境が増えていったらいいなと思います。

永井宗 ちなみに最初の10分間は私が坐禅を教えています。せっかくお寺に来ていただいていますので、坐禅も体験していただいてそのあとにヨガをしていただいています。

長谷川 普段やらない方が、坐禅をしてみたり、ヨガをするきっかけにもつながると思いますので、協力しながら広がっていけるといいなと思います。

永井ま 心と体、心身はまさに繋がっていて、そのどちらが欠けていても本当の健康とは言えないのかもしれません。歴史、精神、坐禅、ヨガなどの言葉がよく似合う空間で過ごす時間は心と体に多大なるエネルギーを与えてくれるはずです。

とはいえ、今日は普段使っていない体の筋肉を使用したり、普段取らないポーズをしたりなどでやってみるとなかなか難しいと感じました(笑)。真っすぐ立っていることもできなかったので体が歪んでいるのかなと思うくらいです(笑)。

長谷川 そういう気づきが大事だと思っています。今、自身の体がどうなのかなと気づくきっかけにしてもらいたいです。ヨガのポーズや動きが出来る出来ないという問題ではなく、その気づきを意識していただき、自身の体と向き合っていただけると嬉しいです。

永井ま ありがとうございます。この気づきを活かして今後健康に過ごせるよう向き合っていきたいと思います。私は地域活性化に力を注いでいますが、こうした身近な場所で心も体も健康になれる場所があることは地域を根底から下支えする大事なことだと思っています。結局は人が一番大事で、人にどれだけ投資できるかが我々の社会のこれからを左右することになると感じています。人に元気を与える、プラスのエネルギーで満たしてくれるこうした活動は非常に重要であると確信しています。今後も多くの方が自身と向き合える場を提供し続けていただけることを期待しています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

満昌寺ホームページはこちらから

じゃらん.net 【プチ坐禅+寺ヨガでリラックス!】お寺の本堂でヨガをしながらゆっくりとした時間を楽しみませんか?のプラン詳細