ザ・対談

街の活性化に頑張っている方々と 永井まさととの対談を連載でご紹介する「ザ・対談」です。 様々なジャンルをインタビューしますのでお楽しみに。

第5回
talk with...

パーソナルトレーニングジムBODYSHAPE代表

峰哲幸

今回は、金谷でパーソナルトレーニングジムを営む峰さんと対談。長生きしても、寝たきりになってしまうと、色々なことが出来なくなり、家族にも大変な思いをさせる。そんなことなく高齢になっても健康に過ごすことが出来れば社会も明るくなる。そんな思いから介護予防教室で健康体操を教えた経験もある峰さん。体は鍛えれば必ず変わる。人を健康にして社会も健康にする。峰さんは言います。「介護保険ももちろん大切だけれども、若い今のうちから健康のためにもっと投資をするべきだと。それがすなわち高齢になった時に金を払っても手に入れることのできない健康を育むのです。」と。筋トレをやると世界が変わるという峰さんの熱い想いとは。ぜひお読みください。

脚力の強化が重要

峰さんのジム「ボディシェイプ」にて対談

峰さんのジム「ボディシェイプ」にて対談

チェストプレスに挑戦

チェストプレスに挑戦

永井 本日はトレーニングを通じて世の中の皆さんの体を健康にしていきたいという思いがあるBODYSHAPE(ボディシェイプ)峰さんに対談をお願いしました。よろしくお願いします。

  よろしくお願いいたします。

永井 ジムを開業された中で一番意識していることを教えてください。

  私は脚力の強化が大事だと思っています。比較的若い時からトレーニングをしていかないと20歳過ぎたところから筋力は衰えていき、50代を過ぎたあたりから急激に衰えていき転倒などのリスクが高まり、さらに寝たきりになってしまうと二日で一年分の筋力が落ちていく、それぐらい筋肉の衰えは速いです。また、下半身が弱いと友人からのお誘いも断りがちになって家にいることが多くなり、認知症になるリスクも高くなり、負の連鎖がおきてしまいます。ですから下半身、特に膝を強化していき行動範囲を保持していくことで快適な後半の人生を描けるのではないかと考えています。

永井 前にお話を伺ったときにバーベルスクワットを中心にトレーニングを行っているというのはそのためなのですか?

 そうですね。バーベルスクワットがメインですね。他にもスプリットスクワットというものもメニューに入れていて、足を前後に広げ行うことにより股関節の可動域を広げるもので自体重でも下半身を鍛えるには効果的です。

永井 足の筋肉は人間の体の中でも大きい筋肉だと言われていますが、足を鍛えることで全身の筋肉への影響はあるのでしょうか?

  そうですね。筋肉が大きい分、下半身の衰えは早いです。上半身の筋肉が衰えたとしても多少の支障は出ます。しかし、下半身の筋肉が衰えたら行動範囲が狭くなるので、全身への影響も大きくなります。その為、下半身の筋肉の強化は絶対に必要で、トレーニングしていれば歩けなくなるということはなくなるので重点的に指導しています。

永井 そうなんですね。僕も41歳になるのですが、今から鍛えても遅くないですかね?

  遅いということはないです。鍛えることで、今日の自分より明日の自分を変えていくという考えでいいと思います。昨日の自分より今日はレベルが上がった、明日はさらにレベルを上げていこうという気持ちを持つことが大事です。

永井 気持ちも大事ですよね。ちなみに週2回のトレーニングでも成果は出るのですか?

  週2回がコンスタントに成果が出ます。トレーニングは1日やって2日休みが効率的なのでそのローテーションでいくと週2回になり成果も出てストレスもなく続くと思います。

ジムにかける思いとは

永井 それであれば気持ち的にも楽になりますね。峰さんはジムを開業するにあたりどのような志を持たれたのですか?

  もともとトレーニングをすることが好きだったのでトレーニングでビジネスができないか、自身が学んだトレーニングのスキルを用いて人を変える社会貢献ができるのではないかと思い開業に至りました。

永井 トレーニングによって人を変える社会貢献、実際どのようなことを視野に入れているのでしょうか?

 

  現状を変えるのはもちろんのこと、5年後10年後を見据えて変えていきたいと思っています。僕のターゲットはまだ自分の足で歩ける方で、介護などが必要になっている人はターゲットには入れていません。まだ歩ける方がトレーニングで足腰を強化することにより、介護の世界に入ることが少なくなります。少なくなれば介護保険、医療保険の削減にもつながり、財政の圧迫が軽減されます。また、街にも人が行き交うようになるので経済も活性化され笑顔のある街に変わっていくと思います。

永井 健康になれば皆がwin‐winになるということですね。

  またトレーニングを体験していただいた方が友人、知人にこのトレーニング良かったよ、そのおかげで体の動きが良くなったよと広めてもらい、多くの方がこのトレーニングをきっかけに健康体になるよう発信していきたいです。

峰さんが考える介護予防とは

永井 峰さんは介護予防も指導されていたとお聞きしましたが、もともとトレーニングと関係があって始めたのですか?

  興味があったので指導しました。介護予防指導員の資格を取り、介護予防というのはどのようなものなのかということと、トレーニング強度はどのレベルなのかを確認するため横須賀の介護予防教室で2年間指導を行いました。

永井 そうなんですね。トレーニング初心者が対象の場所だと思いますが、実際指導してみてどのように感じましたか?

  私が考えるトレーニング強度をはるかに下回るレベルでした。負荷のかからないトレーニングが当たり前で、私が今まで行ってきたトレーニングとは別物でした。私が培ってきたトレーニングを指導しようとすると、他の指導員からは強度が高すぎると注意を受けました。

永井 自宅でできるようなことを集まって行っているという感覚でしょうか。

  そうなんです。介護予防の世界は自宅でもできるようなことなんですよね。

永井 僕の親戚が80歳になるのですが体も弱くなり、一人でトイレも行けなくなってしまいました。その家族も忙しかったため、自分で行けるようにとリビングの机を使って、もも上げのトレーニングを教えたところ足腰が強化され、一人でトイレに行けるようになりました。

  重要ですね。問題は強度なんです。例えば子供への指導になりますが、小さいうちから重たいものを持たせたりなど強度の強いトレーニングをするのは間違いで、成長期の子供にそのようなトレーニングを行うと骨の成長が止まってしまうことがあります。よく小さいころから強度の大きいトレーニングをすると背が伸びなくなると言われますが、あながち間違いではないのです。なので、高齢者の方も重いものを持たせてトレーニングするというのは間違いです。

永井 筋トレ自体が間違ったイメージを持たれてしまっているということでしょうか。

  それが原因で高齢者の方は筋トレと聞くと辛いイメージを持たれますが、高齢者にあったトレーニングを知ってもらい、高齢者こそトレーニングを行ってもらいたいのです。

永井 忙しい現代人と言われますが、少しでもトレーニングを行えば、このさき何十年も体は違ってきますか?

  違います。私がお伝えしたいのは一時間かけてトレーニングをしろということではなく、モデルさんなどのように何かをしながらのプチトレーニングを行うことが大事だと考えます。例えば出産後のモデルさんは子供をあやしながら背伸びをしてふくらはぎの強化をしたり、しゃがむときはしっかり腰を落とし足腰強化など日常生活でも筋トレを行うことはできるものなんです。一時間みっちりではなく隙間時間を利用したプチトレーニングのほうが続けやすく、効果も出ると思いますよ。

永井 僕もトレーニングをやっていた時期はそのような気持ちになりますが、忙しくなるとできなくなってしまいやらなくなってしまうんですよね。負のスパイラルにはまってしまうといいますか(笑)。

  やらなくなってしまうとその後も続かなくなってしまうのでまめにプチトレーニングをしてもらいたいです。ジムに行ったり重たいものを持ったりがトレーニングではないとお伝えしましたが、自宅でできる細かいトレーニングは山ほどあります。高齢者の方には特に自宅でできるプチトレーニングをどんどんお伝えしたいですね。

永井 皆が細切れに時間を使ってトレーニングをするようになれば社会全体が健康になっていきますね。小さい時からその知識があれば自身の体に合ったトレーニングも見出すことができますし、大人になっても継続する大事さを理解できますよね。

高齢者こそプロテイン摂取を

高齢者こそプロテイン摂取し、トレーニングが必要と語る峰さん        

高齢者こそプロテイン摂取し、トレーニングが必要と語る峰さん

  あと一番伝えたいことは筋肉を落とさないことです。人間にとって筋肉は別に要らないんです。アフリカの方を見てみるとスマートな方が多いですよね。逆にボディビルダーは先進国の人が多いんです。ボディビルダーは科学的なアプローチを行っていて理解していないと筋肉はつかないんです。筋肉というのは人間の中で一番不要なものなので最初にエネルギーにされて消費されてしまうんです。その為維持することがとても難しいです。食事も大事で、たんぱく質をとることを理解してほしいです。運動をした後にたんぱく質を摂取することにより、トレーニングで破壊された筋肉を修復する働きをしてくれます。なので、トレーニングをしたときは30分以内にたんぱく質を摂らないと他の筋肉が減って補うことになってしまうので、効率は悪くなります。

永井 そうなんですね。この前大学の講義を聞いたのですが、ホエイプロテインが高齢者にいいと言っていましたがそうなんですか?

  プロテインはアスリートが飲むものと思われていますが、高齢者の方ほど飲んでほしいと思っています。私の家族も日常的に摂っています。運動をした日は多めに摂り、運動をしなかったときは少量のプロテインを摂取し体内にたんぱく質を入れるよう心掛けています。炭水化物はそれほど摂らなくてもよいと言われていて、たんぱく質から糖質はつくれます。しかし、炭水化物はたんぱく質に変わることができません。よく飢餓になって亡くなってしまうニュースなどを見ますが、あれは炭水化物をとれていないのではなく、たんぱく質不足により体の組織が破壊されていき死に至ってしまうんです。炭水化物は摂らなくても生きていけますが、たんぱく質は摂らないと生きていけないんです。この事実を知らない人が多いので、栄養学を理解したうえで自身をコントロールすることが大事です。

永井 そういうことを理解し、皆さんが運動していけば、より健康的な社会が出来上がりますね。

  人それぞれライフスタイルも違いますので、根本的な部分をおさえていただき、自分なりのルーティーンを見つけて健康になるように取り組んでほしいです。その為にわたしは発信し続けます。

永井 とても面白いお話を聞くことができました。トレーニングをすることにより生活も楽になると思いますし、健康寿命も長くなると思います。元気な横須賀を作っていきたいと思いますので、ぜひ一緒に発信していきましょう。本日はありがとうございました。

  ありがとうございました。

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