ザ・対談

街の活性化に頑張っている方々と 永井まさととの対談を連載でご紹介する「ザ・対談」です。 様々なジャンルをインタビューしますのでお楽しみに。

第13回
talk with...

認定心理カウンセラーyuki♡

村松由樹

今回の対談相手は横須賀で心理カウンセリングを行なっている認定心理カウンセラーyuki♡こと村松由樹さんです。ご自身が体調を崩した経験から、心と体のバランスについて学び、今までさまざまなシチュエーションで困っている方々の相談に乗ってきました。単なるアドバイスではない心理カウンセリングとは何か。社会における心理カウンセリングの位置付けと今後目指すべき方向性についてお聞きしました。ぜひお読みください。(2024.5.20更新)

心理カウンセリングに至るきっかけ

永井 本日はよろしくお願いします。心理カウンセラーという職業の方は私は由樹さんが初めてだったのですが、一般的にはまだ身近な存在とはなっていないですよね。

村松 今日はよろしくお願いします。そうですね、心理カウンセリングは社会的にはまだまだ認知度は高くないと思います。でも、社会で求められていることでもあると考えています。

永井 心理カウンセリングの重要性や役割について、まだまだ理解が進んでいない現状があるということですね。今日はその辺りを伺えるといいなと思っています。まず、心理カウンセリングをやろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

村松 まず私自身が仕事などで体調を崩したことがきっかけです。社会生活をしていると、様々な面で無理をする場面があり、辛いなとか大変だなとか嫌だなというネガティブな感情とともに体の調子が悪くなることがあります。自分自身のそうした経験がまずありました。

永井 心と体の不調を訴える人は最近多いように感じます。

村松 はい、現代社会は情報過多で、心に負担を感じることが増えています。それが物理的に体に影響を与えることが往々にしてあります。自分自身の経験もそうでしたが、周りから同じような症状や悩みについて相談を受けることもありました。

永井 カウンセラーになる前から周りからの相談を受けていたんですね。

村松 大仰なことではありませんが、周りの友人や同僚から相談を受けることはありました。そんな時にどう答えようかと色々と悩みながら、心理系の書籍を数多く読みました。自分なりに相談に答えていましたが、それが第三者的にみて本当にそう言えるのか、そういう考え方が一般的にあるのか、そんな見方で、答え探し、あるいは答え合わせのような気持ちでたくさんの本を手に取りました。

永井 なるほど。読書ほど第三者的知見を数多く得られる体験は他にありませんよね。それで答え合わせの結果どうだったのでしょうか。

村松 読書は非常に有益でした。私は感覚で生きてきた部類の人間(笑)なので、感情を論理的な言葉にするのが苦手だったのですが、どうしてそういう感情になるのか、苦しみはどうやったら除去できるのか、感覚的に理解していたことを文章で読むことができるのが非常にありがたい経験でした。それは他人に説明する際に力を発揮します。

永井 確かに頭で理解していることを全て言葉で説明できるかというと、なかなか難しいですね。言語化することで、感覚的な理解を他人に説明できるようにすることが重要であることはとてもわかります。学問の礎ですね。

村松 はい、感覚的に理解していたことが言葉で頭に入ってくるのが心理学の良いところなんです。

心理カウンセラーの役割とは

永井 心理カウンセラーとしてのご自身の役割についてどのように考えていますか。

村松 心理カウンセラーとしての私の役割は、クライエントが自分自身と向き合う手助けをすることです。心と体は密接に繋がっており、精神的な問題が身体的な健康にも影響を与えることがあります。クライエントが自分の中に眠っている別の「自分」を理解し、問題の根源にアプローチすることで、本質的な解決を目指します。

永井 他のカウンセラーやサポート職との違いはどのようなところにあると考えていますか?

村松 心理カウンセラーは、他のカウンセラーと比較して、より深く心理学的な知見を活用して個人の内面に焦点を当てます。例えば、行動療法などを用いて、慢性的な悩みや行動パターンに対処します。私たちは単にアドバイスを提供するだけでなく、クライエントが自らの感情や行動の背後にある動機を理解する手助けをします。

現代社会における心理カウンセリングの必要性と具体的アプローチ

永井 なるほど、単なるアドバイスではなく、内省を手助けすることでクライエントが感じている不安や恐れなどを、それこそ言語化して根源的な原因に迫るわけですね。

村松 はい、まさにそういったアプローチをしています。

永井 個別のクライエントへのアプローチはわかりましたが、もう少し広い視野で聞いてみたいのですが、現代社会において心理カウンセラーがより必要とされる理由は何だと思いますか?

村松 先ほども話しましたが、現代は情報が溢れすぎていて日常生活のストレスが増加しています。会社での人間関係、家庭内の問題、さまざまな社会的プレッシャーが心理的負担を増やしています。心理カウンセラーがもっと身近になれば、これらの問題を早期に解決し、精神的な健康を維持するためのサポートが提供できると考えています。それが社会全体を元気にすることにつながると思っているんです。

永井 お話を伺うと、社会におけるカウンセラーへの理解とアクセスの重要性がよく理解できます。今後、心理カウンセリングをより身近なものにするためには、どのような取り組みが必要だとお考えですか?

村松 社会全体で心理カウンセリングの重要性を理解し、アクセスしやすい環境を整えることが必要です。具体的には、職場や学校でのカウンセリングサービスの充実、公共の健康プログラムに心理カウンセリングを組み込むこと、そしてカウンセリングの利用を推進するための啓発活動が考えられます。

永井 いわゆる「精神的に病んでいる」と言われる人が多い現代社会。心理カウンセラーの役割が社会全体の精神的健康に与える影響は大きいかもしれません。心理カウンセリングの社会的認知度向上のために今後目指すべき具体的アプローチについてもお話しいただき、大変参考になりました。

今日は貴重なお話をありがとうございました。社会全体で心理的な支援がもっと身近で理解されるよう、共に努力していきましょう。

村松 こちらこそ、貴重な機会をありがとうございました。引き続き頑張りたいと思います。

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対談場所 「酒と宿と不動産」

今回対談で使わせていただいた「酒と宿と不動産」は京浜急行浦賀駅から久里浜方面に歩いて5〜6分のところにあります。民宿でもあり、カフェ・食堂でもあるこのお店では不動産についての相談をすることもできます。店主の麦島さんは元々横須賀出身で、東京や広島で働いた後戻ってきてこのお店を開業したUターン組。横須賀に移住を考えている方々への情報発信や、古民家を再生して民泊を進めるなど、浦賀の観光地化に新しい風を起こしている若手経営者です。今回はランチに大根カレーをいただきました。